ピックアップメンター VOL.3 上藤美紀代さん

上藤美紀代さん(メンターID:5000089)

PROFILE

沼津市出身。静岡市に拠点を置いて35年ほどになります。アナウンサーの仕事と父の介護を通して「声のもつ力」の素晴らしさ、不思議さを知り、静岡大学大学院のヒューマン・ケア学コースで学び、ヴォイス・セラピーの領域で生きる決心をしました。現在、さまざまな場所で、「声は財産です。声を生かして人生をより豊かなものにしましょう!」と呼びかけています。特に「これは身体が続く限り励みたい 」と思っている活動は、矯正教育施設※での篤志面接委員としてのお役目と、県立こども病院での夜間ボランティアです。

Q.篤志面接委員とは、どんな活動ですか?

矯正教育施設で、生徒たちに「話し方」を教えています。私は幼い頃から身体が弱く、「母」となる自信がなかったので、こどもを持つことは早くから諦めていました。でも、こどもは大好き! 父が教育者だったこともあってか、こどもに関わる仕事には縁があるようです。なかなか声を出そうとしない(自分を表現しようとしない)彼らとともに発声練習を重ね、思いや考えを引き出し、人との関わり方を助言し、自信が持てるようにサポートするなど、更生に向けてのお手伝いをします。授業の中で、彼らが「親や先生には話せない」話をしてくれます。そんな時には、親になれなかった自分でも役に立てることがあると、少し嬉しくなります。それでも 彼らは、お母さんやお父さんに認められたいと強く願っています。その本心がチラッとのぞいたとき、「親御さんにはかなわない」と実感することもあります。第三者だからこそ、「お母さんになれる」ことの素晴らしさが見えてきます。親になることがなかなか難しい世の中(社会・時代)ですが、可能性のある女性たちを心から応援しています。

Q.県立こども病院での夜間ボランティアについて教えてください。

看護師長さんたちからのご相談がきっかけで始めました。面会時間後の病棟は大変なことになっています。後ろ髪引かれる思いでパパ・ママが帰ってしまった後、こどもたちは泣き叫びます。夜勤のスタッフは、少ない人数でフル回転です。そのような中でこどものベッドサイドに寄り添ってくれるボランティアが必要であると。ベッドの傍らで絵本を読んだりおしゃべりしたり、時には抱っこして子守唄を歌ったりします。無邪気なこどもたちと過ごす楽しいひととき、愛らしい寝顔がご褒美です。こちらが癒やされるうえに、パパやママ、医療スタッフには感謝されるという、何とも幸せなボランティアです。できれば、毎晩、全病棟にボランティアさんがいてくれるという状況が理想です。興味や関心をお持ちの方、ぜひお仲間になって下さいませんか?

 

★あなたにとってのメンター・ロールモデルは誰?

仕事がら、また仏教系の文化施設でコーディネーターをした経験から、いろいろな世界に生きる素晴らしい方々との出会いに恵まれてきました。その中でも「人生の師」として挙げさせていただきたいのが、現代の高僧と呼ばれる故松原泰道師※と哲明師親子です。臨済宗妙心寺派の僧侶でいらっしゃいましたが、広く宗教、思想、哲学を学ばれ、人として大切なものは何かを慈悲深く、親しみやすく説いて下さいました。ユーモアに富むとてもチャーミングな先生方でした。直接うかがったお話、ご著書を通しての教え、両師のお言葉が日々の私の拠りどころとなっています。特に、思いやり、感謝、謙虚、品格、この4つを心に留め置いています。

※昭和47年出版の「般若心経入門」(祥伝社刊)は記録的ベストセラーとなり、第一次仏教書ブームのきっかけを作った人物。その著書は百冊を超える。

上藤さん3

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