ピックアップメンターvol.10  京井麻由さん

京井麻由さん(メンターID:5000030)

PROFILE

大阪出身で、結婚出産を期に静岡市に。子育てしながら育児関係の企業に7年勤務。その傍ら、仕事を始める直前に出会った森のようちえんを静岡にも作りたいという夢をもち、保育士資格を取得。途中、離婚しシングルマザーとなる。2015年退社し、個人事業主として森のようちえんを立ち上げる。子どもは中2と中1。静岡に身内がいない中、思春期の子育てに手探りな毎日です。

Q.森のようちえんとはどのような場所か教えてください。

園舎を持たず、ほとんどの時間を屋外で過ごす幼稚園です。自然豊かな日本平の中腹で活動しています。朝、子ども達は集合場所に直接登園し、朝の会で「今日やりたいこと」をみんなで話し合って、その日の活動内容や遊ぶ場所を決めます。山でごはんを食べて帰る日もあれば、川で遊ぶ日もあり、畑で泥遊びを楽しむ日もあります。遊具も何も無い広場でも、想像力を働かせ、自分のやりたい遊びをどんどん広げていきます。自然の中では様々な生き物と出会ったり、予定通りいかなかったりすることも多々ありますが、自然の営みの中で自ら考え行動する体験を積み重ねることで、柔軟な心と適応力を身に付け、自然に対する畏敬の念も心の奥深くに刻まれていきます
しずおか森のようちえん 野外保育ゆたかHP

 Q.森のようちえんを立ち上げようと思ったのはどのような経緯ですか。

我が子が2歳と3歳の時に、親子で自然遊びの会に参加しました。NPOが主催するこの会は、子どもの興味に寄り添い、子どものやることに「ダメ」と言わなくてもいい場です。活動を通してこのような場こそが「子どもが育つ最良の場」と強く思うようになりました。仕事をしながら週1回NPOのスタッフとして経験を積むなかで、いつかは静岡に預かり型の「森のようちえん」を作りたいと考え始めました。数年後に独学で保育士の資格を取得し、NPOの中で週3回のプレ幼稚園事業を仲間と始めました。そして、離婚を契機に自分の将来を考える中で、今がそのタイミングと幼稚園の事業化を決心しました。

Q.立ち上げで苦労したことはありますか。

まずは、園児の募集です。初年度で定員の21人を集めることは難しいと思っていましたが、ある程度は集まらないと保育にならないので必死でした。また、悪天候時の避難場所としての拠点探しも難航しました。拠点の家賃や雇用等の経費として資金も必要だったので、国の創業補助金にもチャレンジしました。これまで7年間の思いや考えがあったので事業計画書は楽しく作ることができました。前職でお世話になっていた創業支援機関や銀行の方にもフォローしていただき、創業補助金の取得にも成功しました。思い返せば、本当に様々な方に助けていただいて事業がスタートできたのだと改めて感謝の気持ちでいっぱいです。

Q.京井さんにとってのメンター・ロールモデルは誰ですか?

母です。高卒で自営業の父の仕事を手伝いながら専業主婦をやっていた母ですが、学び直したいという思いがあり、ちょうど私が大学受験をした年に、当時では珍しかった社会人枠で4年制大学に合格しました。そこから勉強して資格も取得し、父の看病や看取りを経験しつつ卒業。資格を活かした専門職に就き、定年後の今もまだ現役で働いています。私が離婚後、静岡に残るか大阪に戻るかと考えていた時も、「せっかく夢があって、静岡で人脈が築けているのに、こっちに戻ってきたらまた1からになるんじゃない?」という母の一言に後押しされて、幼稚園の立ち上げを決意しました。「何かを始めるのに遅すぎるということはない」と体現してくれている存在です。

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