ピックアップメンターvol.17 田中志保さん

田中 志保さん(メンターID:5000027)

PROFILE

2人の男児を持つシングルペアレントです。Single Parent101代表。一般社団法人1×1理事。ひとり親の抱える問題をひとり親当事者、支援者だけの間でとどめておいてはいけない、ひとり親の生きづらさは社会構造の歪みがもたらしたものなので、ひとり親を取り巻く社会を変えていかないということを心がけて活動しています。

Q様々な活動をされていらっしゃると思いますが、現在の活動内容について教えてください。

 「ひとり親でも安心して暮らせる社会へ」というビジョンに向かって、2014年にシングルペアレント101を立ち上げました。事業を「支援者」「当事者」「未来の当事者」と支援対象者別に分け、講座を実施したり、これから離婚してひとり親になる人のためのお役立ち冊子を販売したり、食料支援を行ったり、高校や大学で教育プログラムを実施しています。政策レベルでしか解決できない課題も救いあげ、「シングルマザーサポート団体全国協議会」というひとり親支援NPOの全国組織に所属し、政策提言も行っています。また昨年8月に  ひとり親家庭に密接な保育の専門家、キャリアと女性相談のプロフェッショナルとともに一般社団法人1×1(ワンバイワン)を立ち上げ、配偶者や養育者の有無に関わらず、一人ひとりが自分らしく生きることができる社会を目指します。

Qご自身の経験が活動に活きていると伺いました。

私自身がシングルマザーなのですが、子連れで離婚を決断した直後から、「選択」「決断」の連続でした。本やネットの情報は首都圏の事例が主で、静岡市の実情にあう「道しるべ」はありませんでした。離婚調停を申したててすぐに就職活動を始めたのですが、有名な福祉組織の面接で「調停中という不安定な状態の人に仕事を任せらない」と言われたり、当時0歳と2歳の子どもたちは、保育園に入れず待機児童になり、一時保育に毎月3万円払わなくちゃいけなかったり。調停委員に「あなたの調停を望む文章、ぎっしり書いてあったけど読んでいないよ。これは鬱の人が書く文章だから」と言われてショックで突発性難聴になったり。最初は悲しみの中にいたけど、途中からその悲しみが怒りに変わったんです。そして私のような経験をした人が他にもいるかもしれない、これは社会に訴えなければと思いました。

Q活動を始めたきっかけはなんですか。

離婚成立から半年後、SOHOしずおかと静岡銀行の主宰するビジネスプランコンテストに「ひとり親の生きづらさを解決する」というビジネスプランで出場したら、特別賞をもらいました。その時に市の商業労政課の方に子育て支援課長に挨拶にいくように言われ、子育て支援課長に挨拶にいったら、静岡市女性会館の館長を訪ねるように言われ、訪ねたら「あなたはDVについて勉強した方がよいと思う」と当時の館長から言われて、学び始め、また館長から「あなたのやりたいことを社会課題として解決する手法を学べるプログラムがはじまるけど参加しない?」と言われて参加し、当事者にインタビュー調査を始めたのがこの活動のきっかけです。

Q田中さんにとってのメンター・ロールモデルは誰ですか?

フォーラムしずおかの松下光恵さんです。私がビジネスプランコンテスト後に会った静岡市女性会館の館長さんが松下さんでした。かれこれ10年、私のメンターです。全方位型でものごとを考えて動いている方。気遣いもすごくて、とってもおしゃれで本当にステキな方です。困ったことがあると相談させてもらっています。

 

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